shoryu20の忍たま日記

『忍たま乱太郎』について色々と書いていくブログです。藤崎竜さんの『封神演義』のレビューもあります。

「太子二人」 『封神演義』第20回

「太子二人」

封神演義』第20回

 

太公望は第15回で臨潼関で難民を助け、第16回ではそこからさらに西へ進んだとなっていたが、今回の話で臨潼関に戻っている。これは殷郊の推測通り、姜桓楚が殺された事で姜妃も命を落として二人の太子の命も危険に陥る事を見抜き、朝歌と西岐を結ぶ臨潼関で太子二人を待つ事にしたから。

 

ここで面白いのは黄飛虎が二人の太子を東ではなくて西に逃がした事。よく考えたら、二人の太子は東伯侯・姜桓楚の孫なのだから普通は東に逃がされるはず。これは仙女である妲己に対抗出来るのは同じく仙人の力を持つ太公望だけと黄飛虎が判断したから。その判断は正しいのだが、残念ながら妲己には読まれていた。

 

妲己が姜妃を自害に追い込み、太子二人の命を奪おうとするのは殷における自分の権力を絶対にする為と言うのが表向きの理由。実際の理由は太子二人と言う跡継ぎを消す事で殷を滅亡に向かわせる事であった。妲己は紂王の子を産むつもりは無かったはずなので、太子二人の存在が抹消された時点で殷の滅亡は確定してしまったと言える。

 

太子二人を逃がす黄飛虎なのだが、どうにも彼は行動が遅い。

蠆盆の時も太公望が捕まって奴隷が処刑された後にようやく太公望を助け出していたし、酒池肉林の時も四大諸侯のうちの二人が殺害されたところで姫昌を助けに入っている。今回も姜妃の投獄と自害の後で太子二人を逃がし始めているし、この後も姫伯邑考を死なせている。

しかし、これには理由がいくつかあり、紂王が無能となり聞仲もいない中で黄飛虎が片付けなければいけない仕事が多い事、自分の妹が人質に取られている事、そして妲己が仙女と知っていながらも紂王の后として敬意を払って接していた事等が挙げられる。

仕方が無いと言えば仕方が無いのだが、これが後に彼にとって最大の悲劇を招く事になる。(そしてそれが後の崇黒虎への説得に繋がる)