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shoryu20の忍たま日記

『忍たま乱太郎』について色々と書いていくブログです。藤崎竜さんの『封神演義』のレビューもあります。

「それぞれの現在・過去・未来シリーズ⑥ -継がれし血脈たちとの絆-」 『封神演義』第51回

「それぞれの現在・過去・未来シリーズ⑥ -継がれし血脈たちとの絆-」

封神演義』第51回

 

妲己によってメチャクチャにされた朝歌を立て直すべく、聞仲は税を下げ、インフラを整え、悪人を取り締まり、さらに東伯侯に注意を向けつつ西岐にスパイを送った。それでも自分の留守中に朝歌でテロを起こされる恐れがあるので西岐討伐もままならないと言う状況。聞仲は四聖と商容&比干を使って自分の不在時を保たせようとするが申公豹がそれで上手くいくかどうか疑問視しているところを見ると実際は難しいのだろう。

こうして見ると黄飛虎が造反したのは殷にとって大きな痛手であった。黄飛虎がいれば東伯侯や西岐と言った対外政策や朝歌での悪人やテロリストの取り締まりを任せる事が出来、聞仲の負担もかなり減らせたはずだ。

 

現在の朝歌と西岐の関係だが、聞仲は「西岐は朝歌よりも民の信望がある」とし、申公豹の「民は殷に変わる新たな器を求めている」に対して「言うな」としながらも発言内容については批判も反論もせず、自分が殷を守る理由を「殷は私にとって子供のようなもの」と説明する等、「理屈で言えば殷を滅ぼして新たな国を作る方が正しい」と暗に認めている。聞仲が殷を守るのはあくまで個人的な感情に過ぎない。その感情が崩れた時、聞仲は表舞台から去る事を決める。

 

聞仲は朱氏に恋愛感情を抱いていたかどうかは明言されていないので不明。

個人的な解釈だが、聞仲は男女の恋愛と言うより志を共にする者として朱氏を特別視していたと思う。男として朱氏を求めると言う事は無く、あくまで「殷を守る」と言う同じ目標を掲げ、その為に共に修行をして共に力を合わせて戦う存在。だから聞仲は朱氏が王の后になる時に他の男と結婚する云々より「将軍の仕事」「もう剣は持たないのか」「彼女と共に戦ってゆくという目標」を気にした。

ところで「聞仲より年上」で「自分と互角の力を持つ」と言う朱氏の人物像は「兄貴風を吹かして」「自分と同等に語り合える」と言う黄飛虎の人物像に繋がるところがある。聞仲が黄飛虎に望んだものはかつて朱氏に望んで途中で潰えたものだったのかもしれない。

 

聞仲は通天教主にスカウトされて金鰲島で修行を行った。原則的に人間を受け入れない金鰲で頭角を現したところに聞仲の素質と努力が見える。しかも驚きなのが修行を初めて10年が過ぎた頃に朱氏が殺され、聞仲は朱氏の子供を育てる事になったと言う事。以来、聞仲は殷王家の教育係になったと言う事なので以前のように金鰲で仙道の修行を行うのは難しくなったと思われる。(申公豹曰く「聞仲は人と生きる為に仙人界を捨てた」) と言う事は仙人界での本格的な修行はわずか10年ほどで聞仲はスーパー宝貝を使いこなすほどの実力を得たと言う事。これは仙人界の歴史の中でも類を見ない急成長だと思われる。

 

聞仲「彼の子供も、その子供も、…そして紂王陛下も、みんな私の教え子達だ。いい王もいれば悪い王もいた。だが出来の良し悪しにかかわらず、皆、私を恐れ慕ってくれた…」、

申公豹「そして皆、あなたより先に死んでいったのですね?」。

この二人の台詞。一見すると、聞仲の殷に対する想いを申公豹も感じ取る事が出来たと言う場面に見えるし実際にそうなのだろうが、裏を返せば「子供が何人も何人も死んでいるのに親はまだ生き続けていると言う異常な状況」と言うのも示していたのかなと思う。