shoryu20の忍たま日記

『忍たま乱太郎』について色々と書いていくブログです。藤崎竜さんの『封神演義』と柴田亜美さんの『南国少年パプワくん』のレビューもあります。

「金鰲島内部~蟬玉のダディ」 『封神演義』第68回

「金鰲島内部~蟬玉のダディ」

封神演義』第68回

 

聞仲は最初は人間の兵を率いて周と戦うつもりだった。それは太公望が周の軍師として人間の兵を率いる以上、それに対して仙道の力を使うわけにはいかないからだ。

しかし、通天教主によって金鰲の全仙道の指揮権を与えられた事で状況が変わり、自分と十天君で崑崙を落とし、後ろ盾を失った周に降伏を勧告すると言う戦略を立てられるようになる。

聞仲が言うようにこれなら人間の犠牲者は出さなくて済む。また、人間の兵を使った戦いだと辺境の反乱を鎮圧するのに数年かかった聞仲では太公望と黄飛虎がいる周には勝てない可能性が高い。十天君を使って崑崙をまず落とすと言う聞仲の戦略は実に理に適っていた。

 

それに対して困惑を見せたのが十天君達で、姚天君は「聞仲は本当に十天君の力を必要としているのか?」と言っている。後の描写を見るに姚天君の言ったとおり聞仲と張奎と趙公明がいれば崑崙と戦って勝利する事は出来た。ここで問題になるのは「十天君は崑崙を落とすところまでしか想定していないが、聞仲はその後に妲己と戦うところまで想定していた」である。

十天君はあくまで崑崙を落とす事だけを考えていて妲己と戦う事は考えていない。なので、聞仲と張奎と趙公明で戦力は十分で自分達が戦う必要は無いと考えている。しかし、聞仲は崑崙と周を倒した後に妲己も倒す予定なので、それに備えて自身の力は温存しておきたかった。本音を言ってしまえば、自分の代わりに十天君と崑崙を戦わせて自分は妲己との戦いに備えて力を温存しておきたかったはずだ。しかし、これは仙人として位が上の十天君を使い捨ての駒にすると言う事にもなるので姚天君が聞仲の戦略に疑問を呈するのも当然と言える。

 

まず崑崙に対して総攻撃を仕掛けると言う聞仲の戦略を「素晴らしい!」と評する趙公明。これが実現していたら彼は思う存分に戦いを楽しめただろうがそれは叶わなかった。

 

鄧九公を足止めに使うと言う趙公明の策を「これ以上ない人選」と評価する聞仲。

鄧九公は「忠誠心が強いので説得は無理」「蟬玉の父親なのでスパイの蟬玉の回収が可能」「高い戦闘力を誇る竜鬚虎が使える」「鄧九公自身は人間なので、仙道の力で人間を攻撃すると言うタブーに触れない」となっている。

確かにこれ以上ない人選なのだが、宝貝を使った派手な戦いが好きな趙公明が人間である鄧九公を指名するのは確かに不自然。そこを聞仲は気にしたのだと思う。

因みに鄧九公を足止めに使うと考えたのは趙公明ではなくて実は妲己。この頃の妲己の目的は「殷からの人材流出」。蟬玉が太公望達と仲良くなってきている事を知り、娘繋がりで鄧九公も殷から裏切らせようとしたと思われる。(さらにスパイの蟬玉も裏切ってしまったので、殷は周に関する情報を収集できなくなってしまった)

 

太公望「まぁいいか、あやつら弱そうだし」。

いやいやいや。太公望、いくら竜鬚虎がカワイイ外見をしているからと言って十数メートルの怪獣相手によくそんな事を言えるな。