翔龍shoryuの忍たま日記

『忍たま乱太郎』について色々と書いていくブログです。『ドラゴンボール』や藤崎竜さんの『封神演義』のレビューも書いています。

「virus」 『封神演義』第72回

「virus」
封神演義』第72回

 

黄飛虎と天化が妲己の目的について話をしている場所だが、なにやら意味ありげな遺跡が立ち並んでいる。後に申公豹は「かすかに残る古代文明のかけらを調査して女媧の謎を解いた」と言っているので、これもその古代文明のかけらの一つかもしれない。

 

妲己の目的を「殷を滅ぼす事」と推測する黄飛虎。この時点では太公望や楊戩ですら思いついていないところを当てたのが凄い。
これは黄飛虎が武将で「スパイを送り込んで敵を内部から滅ぼす」と言う戦術を知っているからであろう。妲己が殷でやった事はまさにこの「内から国を滅ぼす」であった。

 

黄飛虎達を襲った烏鴉兵の正体は「カラスが妖精化した兵士」との事。
え? 冀州軍は妖精の兵士を所有しているの? どういう経緯で所有する事になったんだろう?

 

城壁や要塞を作っているうちに工作が得意になった周軍はわずか3時間で宿営地を完成させられるようになった。さらに周軍はこれまで通ってきた道に街道を敷いて食料や物資を速やかに送れるようにし、さらに豊邑では食料の蓄えが増やされていた。
戦争は多くの人員を動員するのでその維持が最も大事で最も困難なものとなる。そこを重視した太公望はやはり軍師として優れている。
ただこれは軍師・太公望の他に武成王・黄飛虎がいたから出来た事と言える。軍事演習を任せられる黄飛虎がいたからこそ、太公望はそれ以外の仕事に集中出来たのだ。

 

楊戩初登場のエピソードで元始天尊が「太公望と楊戩のどちらの下で働きたいか?」と言う話をしていたが、それが実際に描かれたのが今回の話と言える。
指揮官として正しいのは楊戩。指揮官が子供を助けて病気に感染してしまうと言うのはハッキリ言って間違い。なのだが、自分が部下だった場合、身を挺して自分を助けに来てくれた人の為に戦いたいと思うのが人情と言える。
とは言え、ここに楊戩がいなくて太公望だけだった場合、太公望が感染した時点で敗戦決定だったので、やはり楊戩の存在も必要不可欠と言える。

 

こうして見ると分かるのだが、殷は聞仲一人で全てを行わなくてはいけなくなって最後は手が回らなくなってしまったのに対し、周は太公望だけでなく黄飛虎や楊戦と言った人物がいて皆で手分けして仕事をして互いに補い合う事が出来ている。

 

呂岳って元々ヤバいキャラだったけれど、初登場時はさらに輪をかけてヤバい事になっていたんだな……。

 

呂岳の血液争奪戦!!」に続く。

 

 

封神演義 9 (ジャンプコミックスDIGITAL)

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