shoryu20の忍たま日記

『忍たま乱太郎』について色々と書いていくブログです。藤崎竜さんの『封神演義』と柴田亜美さんの『南国少年パプワくん』のレビューもあります。

「太子の選択・その6~趙公明の荷造り」 『封神演義』第82回

「太子の選択・その6~趙公明の荷造り」

封神演義』第82回

 

前回と今回の話で殷郊と殷洪が死亡。これで紂王は後継者を失い、殷王家の未来は完全に閉ざされたと言える状況となった。

今回の太子二人の話は申公豹が動いた事がきっかけとなっている。基本的に歴史に関わらない中立の立場である申公豹が起こした数少ないアクションによって殷王朝の滅亡が決定的となった。これで申公豹も歴史の道標・女媧との因縁が出来たと言える。

 

死に間際に殷郊の人生が振り返られ、殷郊が殷の太子として太公望と戦う決意をした理由が分かる。後に聞仲が「自分は黄飛虎のいるかつての殷を取り戻したかった」と自分が戦う理由を述べているが殷郊も「母が明るかったかつての殷を取り戻す」為に戦っていた。(殷郊は第78回で「かつての殷を取り戻す」と言っている)

 

太公望は殷郊の懐に入り込んで打神鞭で決着を付ける。

一応、風の刃は出しているが、おそらく打神鞭で直接殷郊を斬ったと思われる。

何故距離を取っての攻撃ではなくて直接斬りに行ったのか? おそらくだが、太公望は「自分のその手に殷郊を殺した感触」を刻みつけ「殷郊の血を浴び」ようとしたのではないだろうか。

 

殷を捨てて周に来た黄飛虎は自分は今は周の武成王と割り切っていたつもりだったが、王太子の死を聞いてとてつもない罪悪感に襲われ、自分はこのまま聞仲や紂王と戦えるのかと疑問を抱くようになる。

後に黄飛虎は聞仲と戦う事になるがこれは聞仲を倒すと言うより聞仲の目を覚まさせるものであった。そして紂王とは戦う事は無く、紂王と戦ったのは黄飛虎ではなくて息子の天化となった。天化は紂王に仕えた時間が殆ど無かった事もあって迷い無く戦う事が出来たが、もし黄飛虎が戦う事になっていたら…おそらくどこかで躊躇が生じたような気がする。

 

太子が死んだ後の太公望と黄飛虎の会話だが、思えば本作において太公望の最初の仲間は(四不象を除いて)黄飛虎であった。黄飛虎は戦う意思が挫けそうになっているが、太公望宝貝が使えなくなって戦う力が失われたと言うのに戦う意思は挫けていない。第8回で妲己の罠にはまった太公望が戦う意思が挫けて、それを黄飛虎が諭した場面を思い返すと、黄飛虎が「太公望は強くなった」と言うのも分かる。