「仙界大戦五 -天才道士2-」
『封神演義』第113回
武吉「あれは花狐貂だぁっ!!!」、
蟬玉「かこてん? なによ、それ」。
おい、スパイ! あんた、魔家四将の時点で既に西岐の内情を探っていたんじゃなかったっけ?
「あやつならやるよ。「天才」という言葉は好きではないが、あやつはそれ以外に言いようのない男だからのう」。
太公望が楊戩の事を高く評価している事が分かる言葉。でも、太公望の楊戩に対する最大級の評価は次の「楊戩を信用しておるのじゃな、太公望」と言う竜吉公主の言葉に対する「信頼だよ、公主」であろう。この「信頼」と言う言葉に太公望と言う人間が見える。
先程の戦いで部分変化を見せた楊戩は今度は部分変化の応用で同時に複数の人物に変化できるようになった。これによって、雷震子の翼で空を飛びながら攻撃力の大きい宝貝を一挙に放って張天君の紅砂陣を破壊しようとした。
『封神演義』のこれまでの話では所有する宝貝の能力によって各仙人それぞれに得意分野があったのだが、楊戩は変化によって殆ど全ての宝貝を使用できるようになりオールマイティに戦えるようになった。
連載時に読んで衝撃を受けた「楊戩の真実」。
まったく予想していなかった展開なのだが、張天君による楊戩の変化と妖怪仙人の人形の類似が納得できるものだったので、急展開ではあるがなるほどと納得した。
張天君は過去の事情を知らずに楊戩の正体を推測し、さらに紅砂陣によって楊戩をかつて無いほど消耗させている。最初に倒されてしまったが実は十天君の中でも実力者であったのかもしれない。だからこそ、王天君は色々な意味で張天君を最初の刺客に選んだのだろう。
張天君は楊戩の正体が自分達と同じ妖怪であると感じてからは楊戩の事を「あなた」と呼んでいる。この時点では楊戩が通天教主の子供である事は知らなかったはずだが、それでも何か感じるものがあったのかもしれない。
「仙界大戦六 -楊戩の半妖態-」に続く。