翔龍shoryuの忍たま日記

『忍たま乱太郎』について色々と書いていくブログです。『ドラゴンボール』や藤崎竜さんの『封神演義』のレビューも書いています。

「死闘十二 -武雄封神-」 『封神演義』第146回

「死闘十二 -武雄封神-」
封神演義』第146回

 

武成王・黄飛虎封神……!

 

この回で聞仲の心が折れ、殷の再建は絶望的となった。
聞仲が言うように民の信頼を失っても後継者がいなくなっても不老不死の存在である聞仲がいれば殷の再建は可能であっただろう。しかし、聞仲が言う「私がいる限り殷は何度でも蘇る」は裏を返せば「聞仲がいなくなれば殷はもう蘇らない」と言う事でもある。

 

黄飛虎は「殷を倒して周を興す」と言う目的を達成する前に退場する事となったが、たとえ自分がそれを成し遂げられなくても太公望を始めとする仲間達が成し遂げてくれると言う確信があったので、後ろ髪を引かれる事無く「後は任せたぜ」と太公望に告げて封神されたと思われる。
さて、この黄飛虎最後の戦いだが彼は最後に太公望や聞仲に言葉を残しているが、その場にいた二人の息子には言葉をかけておらず、これが後に天化や天祥の迷いや悩みを引き起こす事になってしまう。

 

こうして見ると、ここでの聞仲と黄飛虎の死は単なる二人の死に留まらず、聞仲が守ろうとした殷の死、黄飛虎の息子である天化の死をも引き出してしまったと言える。

 

老いたる象徴と風の分岐㊤」に続く。

 

 

封神演義 17 (ジャンプコミックスDIGITAL)

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