shoryu20の忍たま日記

『忍たま乱太郎』について色々と書いていくブログです。藤崎竜さんの『封神演義』と柴田亜美さんの『南国少年パプワくん』のレビューもあります。

「牧野の戦い⑤ -湯王伝説の再現-」 『封神演義』第167回

「牧野の戦い⑤ -湯王伝説の再現-」

封神演義』第167回

 

戦うにつれて強くなっていく紂王に対してもはや正攻法では埒が明かず、楊戩は湯王伝説の再現を狙って紂王の子供である殷郊に変身する。この「狂った父を説得する息子」と言う構図はかつての楊戩と通天教主と同じ。楊戩としては勝算があったのだろうが、長い誘惑生活の果てに紂王は家族の顔すら忘れてしまっていた。(あと、紂王が成長した子供と会った事が無かったと言うのも楊戩の誤算だったかも)

 

殷の初代国王である湯王は「神」とも「鬼」とも言われた力で夏王朝を滅ぼした。その後、暴走はしたが子供の声で元に戻り以後は良い王として殷を繁栄させたとの事。しかし、紂王はその湯王と同じ力を発揮して同じように暴走し、そして今回は元に戻って善政を敷く事も無く、そのまま武王に討たれる事になる。この事によって紂王の力は「禍々しい力」とされ、紂王と同じ力を持っていた湯王も同じ「禍々しい力の持ち主」だったとされ、殷王朝700年の正当性そのものが覆される事になる。

 

この回で気になるのは太公望の強さ。趙公明戦で楊戩は「強い」と言い、今回の四不象は「道士としてはそんなに才能が無い」と言っている。

おそらく太公望(と言うか呂望の肉体)は道士としては並のレベルであったのだろう。それを努力と知力と気力で限界以上に引き上げ、申公豹、趙公明、聞仲、妲己と言ったスーパー宝貝を使う者と渡り合ってきた。しかし、その無茶も既に限界が近付いていた。

そして戦いはスーパー宝貝を超える女媧との対決へと突入し、太公望は人間・呂望の肉体から妖怪・王天君の肉体へと移り、仙道を超えた存在である最初の人へとパワーアップする事になる。

 

天化の「も・ちょっとだけ、しっかりしてくんねーと、あーたを信じられなくなりそうさ」「オヤジもコーチも、やっぱ、この人に見殺しにされたんじゃねーかって…」はかなり痛い言葉。しかしこれは裏を返せば「太公望がしっかりしていたら父も師匠も死んでいない」となり、天化は太公望の事を「しっかりしていたら味方に犠牲者を出させない実力者であると信じている」となる。しかし、真実は違った。太公望はそんな全てを守れるほどの飛び抜けた存在ではなく、ごくごくありきたりな道士だった。だからこそ、全てを太公望に任せるのではなく、それぞれが自分に出来る事をしなければ事態は改善しないのだ。