翔龍shoryuの忍たま日記

『忍たま乱太郎』について色々と書いていくブログです。『ドラゴンボール』や藤崎竜さんの『封神演義』のレビューも書いています。

「グレート・マザー① -万仙陣-」 『封神演義』第195回

「グレート・マザー① -万仙陣-」
封神演義』第195回

 

今回の扉絵や第192回の回想シーンで王奕が着ているTシャツに「デンキヒツジ」と書かれている。「デンキヒツジ」と言えばすぐに思いつくのがフィリップ・K・ディックの『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』。自分はまだ読んでいないので関連は分からない。『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』を原作とした映画『ブレードランナー』は見たが、この映画は原作とは異なる部分もあり、また自分が見た限りでは『封神演義』との関連もすぐには思い浮かばなかった。
因みに『ブレードランナー2049』のパンフレットに記載されている話を読むと『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』は「核戦争による環境破壊で殆どの動物が絶滅した世界で、主人公の夢はロボットの羊じゃなくて生きている本物の羊を手に入れる事」となっていた。この話に合わせて考えると、王奕(伏羲)の夢は「生きている存在と一緒にいる」で、生きている羊に囲まれた呂望の生活は実は王奕(伏羲)にとっては夢の生活だったのかもしれない。
それとも、実は地球に降り立った始祖達は『ブレードランナー』に登場するアンドロイド(レプリカント)のような「他の星での過酷な作業の為にあえて高性能に作られた人工生命体」だったとかなのかな?

 

伏羲の宝貝・太極図だが、その能力は「宝貝の能力を無効化する」「宝貝を通して相手の力を自分に集める」となっていて、宝貝を主力とする仙道に対して最終兵器と言える能力を持っている。
女媧のように魂魄体になれば殆どの宝貝の攻撃は通じなくなるのだが、太極図は「魂魄を溶かす雪を降らせる誅仙陣」や「宝貝の攻撃が魂魄体に通じるようにする万仙陣」と言う能力も持っていて、魂魄体に対しても最終兵器と言える。
こうして見ると、単純な破壊力では女媧が最強だが、伏羲はその女媧を止める能力を有する存在だったと言う事が分かる。

 

この回の5ページ目にある「女媧の猛攻を地上の仙道や妖怪仙人が見ている場面」は空間の高さ表現が上手く、女媧の攻撃のスケールの大きさを見事に描写している。

 

韋護「女媧の攻撃はスーパー宝貝以上か!?」、
女媧「四宝剣!!!」。
始祖にすらツッコミをさせる男・韋護!!

 

分裂して威力が弱まっているとは言え、何度も世界を滅ぼした宝貝・四宝剣の攻撃を防ぐ太上老君の怠惰スーツが凄まじい……。これ、どういう技術で作られているんだろうな。やはり始祖の技術が関わっているのかな?

 

燃燈道人の燃燈流仙術究極奥義・営鎮抱一砲で女媧数体が消し去られる。
落魂陣は分かるが、燃燈道人の術も魂魄体にダメージを与えられるとは驚いた。魂魄体と仙術に使われる気合いはよく似た生命エネルギーなのかもしれない。

 

武吉「お師匠さま、今ですっ!!!」、
太公望「ナイスだ、武吉!!!」。
武吉の存在が最後の最後で太公望を助けると言う展開が熱い!
自分は武吉と太公望の師弟関係が好きだったので、これは嬉しかった。

 

万仙陣が完成したのを見て申公豹は遂にスーパー宝貝・雷公鞭を使う!
「おつかれさま、太公望!」とわざわざ言うのが面白い。
「うぬ~。申公豹のやつめ…。最後においしいところをかっさらいおって~~っ!!!」。
申公豹が武吉に怠惰スーツを渡す時もだったが、昔は申公豹が太公望にやたらと構ってきていたのが、この回は太公望が申公豹に対してライバル意識をむき出しにしているのが興味深い。今回の話で太公望がこういうムキになった態度を取るのは申公豹の言動を受けてとなっているので、この頃の申公豹はどのようにすれば太公望がムキになって自分に突っかかってくるのかを理解していると思われる。

 

グレート・マザー② -肉体-」に続く。

 

 

封神演義 22 (ジャンプコミックスDIGITAL)

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