翔龍shoryuの忍たま日記

『忍たま乱太郎』について色々と書いていくブログです。『ドラゴンボール』や藤崎竜さんの『封神演義』のレビューも書いています。

「あとしまつ㊤」 『封神演義』第203回

「あとしまつ㊤」
封神演義』第203回

 

第1回で話に出ていた「神界」が登場。
第1回では「妲己とその配下の妖怪を人間界から追い払った後、仙人界に戻す事も出来ないので、人間界と仙人界の間に神界を作って妖怪達を封じ込める事にした」と言う説明であったが、第159回では「封神台は仙道が次の形へと進む為の待合場所」と説明されている。その「次の形」とは地球と蓬莱島を結ぶワープゾーンの中に作られた神界に住み、「神」として人間界に有事が起きた時にそっと手助けをする事であった。
こうして見ると封神計画とは女媧と言う一神を廃して仙道・妖怪からなる多神へと移行させるものだったと考えられる。一神であった女媧は地球全ての運命を握る程の強大な力を持っていたが、仙道・妖怪による神達は人間界に有事が起きた時に手助けをするに力の行使を留めている。(蓬莱島や神界の仙道・妖怪が人間界に行くには楊戩の許可が必要で、密かに人間界に行ってもおそらくは元始天尊千里眼によって発見される)

 

神界のシステムは「太公望が考案し、燃燈道人が作った物」との事。燃燈道人が姿を消していたのは女媧に気付かれずに神界のシステムを作る為と言うのもあったのだろう。地球上に女媧に知られていない場所があるのか?と言う疑問が出てくるが、太上老君桃源郷などは女媧に知られていない感じだったので、ひょっとしたら、燃燈道人は桃源郷のどこかにいたのかもしれない。

 

神界のシステムは太公望が考案したとの事だが、時期的な事を考えてこれは伏羲の事を指しているのだろう。伏羲が企画した封神計画は太極図・戦闘形態で女媧と戦えるだけの力を集めるべく強い戦力を揃えるであった。第166回で申公豹は強い戦力を集めると言う元始天尊の目算は仙界大戦によって破られたと語っているが、たとえ封神されても最後は封神台を解放する事でそれらの戦力を決戦の地に連れて行く事が出来るので、実は元始天尊と伏羲の目算は破られていなかった事が分かる。
さて、伏羲が女媧との決戦に向けて仙道・妖怪の魂魄を集めた封神台を作る必要があったのは分かるが、女媧を倒した後に封神された仙道・妖怪を神界に移住させるところまで考えていたのはちょっと意外だった。
伏羲は女媧の歴史操作を「気に入らない」としていたが、仙道・妖怪を人間界から神界へと移住させる伏羲の行動も一つの歴史操作になるのではないだろうか? ここで出てくるのが女媧や伏羲の故郷の星が失われた理由である。女媧は「一つのミスが起こらなければ故郷の星は滅びなかったのではないか」と考え、最後のミス以外は地球の歴史と自分の故郷の星の歴史を全く同じものにしようとしていた。それに対して伏羲達は「故郷の星は進化した文明故に自滅した」と考えていた。それなら伏羲達は「自分達の故郷と同じ歴史を辿ったら地球も自滅してしまう」と考えるのではないだろうか。
ここからは推測だが、女媧や伏羲の故郷の星では仙道・妖怪は仙界大戦や殷周易姓革命後も人間界に留まり続けたのかもしれない。太公望妲己は人間界に仙道・妖怪はいらないと言っているが女媧は人間界から仙道・妖怪を排除しろと言った事は無い。又、女媧や伏羲は宝貝を使用していたが、女媧や伏羲の故郷の星でも仙道・妖怪が仙界大戦や殷周易姓革命の後に人間界から姿を消していたら宝貝も人間界から引き上げられていたはず。それを女媧や伏羲が使用していたと言う事は、どこかで発掘されたか、又は仙道・妖怪や宝貝はずっと人間界に残っていて、それを遠い未来で女媧達が使うようになったかだと考えられる。
女媧や伏羲の故郷の星では仙道・妖怪がずっと人間界に残っていたとするなら、故郷が自滅する原因となった「進化した文明」には仙道・妖怪や宝貝が大きく関わっていた可能性がある。そこで伏羲は地球が自滅の歴史を辿らないように人間界から仙道・妖怪や宝貝を引き上げさせたのかもしれない。
だが、伏羲は女媧と違って強制する事はせず、あくまで「選択権」を与えたに過ぎない。と言うのも、元始天尊は王奕の申し出を拒否しても良かったし、その後も王奕が記憶を失った時に裏切ってしまう事も出来た。女媧を倒した後も伏羲は消息不明になっているのでやっぱり人間界に戻ろうとする事も可能で、実際、人間界には李靖や方弼・方相や申公豹等が残っている。元始天尊も申公豹も「選択権」を与えられ、そこで「選択」をしたのだ。(でも、さすがに宝貝を使って人間界で大暴れすると言う「選択」はもう出来ないんだろうけれど。楊戩率いる新しい仙人界の組織を壊す事が出来たら可能性はあるが)

 

雷震子、哪吒、天祥によるパトロール部隊。偶然か、全員が末っ子だったりする。
それにしても危なっかしいパトロール部隊だ。韋護みたいな落ち着いた人物を入れた方が良いんじゃ……。

 

張奎が妖怪代表になっているのだが、張奎って妖怪だったの?
妖怪代表はビーナス達が適任な気がするが、太公望が死んだのでビーナスは辞退したんだろうな……。

 

女媧戦の後に結婚をしていた蟬玉と土行孫。蟬玉パパは知っているのかな……。

 

「相互の理解を……」「がーッ」。
普賢真人、何もそんな最高難度の相手から説得しなくても、もう少し説得しやすい相手から始めた方が……。

 

げっそりと痩せた武王。激務のせいか、牧野の戦いで受けた傷のせいか……。
史実ではこの2年後に亡くなっているらしいが、この漫画の話の続きが史実と同一とは限らないので、仕事が一段落してプリンちゃん捜しに出かけて邑姜と周公旦に叱られると昔のように回復する可能性がある。

 

太公望はサボり放題に決まっていると言う邑姜の冗談を聞いて思わず吹き出す周公旦。
あ、この人もこういう風に笑うんだと驚いた。

 

女媧との戦いで死んだと思われた太公望だったが一週間前に武王達の所に来ていた。果たして、太公望は……?

 

あとしまつ㊦」に続く。

 

 

封神演義 23 (ジャンプコミックスDIGITAL)

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