shoryu20の忍たま日記

『忍たま乱太郎』について色々と書いていくブログです。藤崎竜さんの『封神演義』と柴田亜美さんの『南国少年パプワくん』のレビューもあります。

「第0話」 『南国少年パプワくん』特別編

「第0話」

南国少年パプワくん』特別編

 

『パプワくん』の特別編。

本編ではまだちゃんと描かれていなかったシンタローがガンマ団を脱走するまでのお話。シンタローの髪型については気にしてはいけない。(初期のシンタローをこの頃の画力で描くとどうなるのか見てみたかったところだが)

 

「2 YEARS AGO.」と言う説明でシンタローがガンマ団を脱走してパプワ島に流れ着いてから既に2年が経過している事が分かる。また、コタローが連れて行かれたのはシンタローがガンマ団を脱走するさらに1年前の事らしい。現在のコタローは6歳なので今回の回想シーンに登場するコタローは3歳となる。

 

サービスとのトレーニングの時に秘石眼について説明を受けたシンタローだったが、どうやら秘石についての詳しい説明は受けていなかったらしく、「売ればまぁいくらかの価値がある物だろう」程度の認識であった。

秘石がサービスやグンマも含めた青の一族全体にとって大事な物ならさすがにシンタローも売り払おうとは思わなかっただろうが、シンタローは「大切なものを捕らわれる気持ちを味あわせてやりたかった」と言うマジックに対する個人的な気持ちで秘石を盗み、それを売り払おうと考えた。おそらく秘石について詳しい説明を受けなかったので、父が秘石に執着しているのは一族云々ではなくて父の個人的な思い入れなのだろうとシンタローは判断したと思われる。

 

後に青の秘石には意思がある事が判明するが、退屈しのぎをしたかった青の秘石にとって、シンタローがガンマ団から外に持ち出すと言うのは逆に絶好の機会だったのかもしれない。シンタローはマジックにとって大切は秘石を「捕らえる」つもりだったが、実は青の秘石を「解き放った」とも言える。

 

マジックがコタローを連れ去った理由が「両目とも秘石眼であるコタローは危険だから」と語られる。3歳までは普通に暮らしていたのがいきなり幽閉と言う事態になったのはシンタローの知らないところでコタローの秘石眼によってかなり大きな被害が出たからであろう。マジックは「もう何人も傷付けている」と言っているが、ひょっとしたら死者も出ていたのかもしれない。

マジックがコタローをシンタローから引き離した理由はおそらくコタローの力の暴走によってシンタローに危険が及ばない為と考えられる。そう考えると、シンタローは知らないところでマジックに守られていたと言える。

 

連れ去られる場面を見るとコタローには善悪の判断が出来ると思われる。逆に3歳と言う年齢を考えたら自分が持つ秘石眼の威力を理解して自らマジックに付いて行って幽閉されると言うのは同年代の子供より遥かに善悪について理解出来ていると言える。

しかし、ここから3年間も外界との関係を絶たれた事でコタローは歪んだ成長を遂げてしまい、遂には慕っていた兄シンタローを自らの手で殺してしまう事になる。自分の子供達の事を思ってしたマジックの行為はその思惑とは逆に最悪な結果をもたらしてしまう事となる。

 

ガンマ団でミヤギとトットリがシンタローの事を褒め称え、アラシヤマがシンタローに突っかかると言うシチュエーションは「サービス -秘石眼を持つ男-」と同じだが、あの爽やかな青春時代と違い、シンタローは多くの人々を傷付け、ミヤギ達に対しても素っ気ないと荒んだ雰囲気となっている。

 

ガンマ団の医師としてドクター高松が登場。高松のちょっとした会話からシンタローはコタローがガンマ団日本支部にいる事を知る。

…のだが、あの高松が何の考えも無しに日本支部にとってあまり知られたくない爆発事故の件をシンタローに喋るのかと言う疑問が生じる。ひょっとしてだが、高松はわざと情報を与える事でシンタローがガンマ団を脱走して日本に行くように仕向けたのではないだろうか?

高松の目的の一つは「ルーザーの一人息子を守る事」。まだ赤子取り替えが発覚する前は「ルーザー様の一人息子のグンマ様」と言っているが、発覚時にはキンタローに向かって「ルーザー様の息子はちゃんと幸せになっていると信じていた」と発言している。つまり高松は表向きはグンマの世話をしながら裏ではルーザーの本当の息子であるシンタローの幸せを願っていたとなる。と、なれば、コタローと引き離されてふさぎ込んでいるシンタローを見て、コタローの居場所を教えるくらいはすると思われる。

 

さりげにティラミスとチョコレートロマンスが登場している。時期的には今回の第0話と本編の第31話とどちらが先に発表されたのかな?

 

「私の物は全てシンタロー! おまえにあげるヨ」と言いながら実際にはシンタローからコタローを「奪っている」ところがマジックの業だなと思う。本人は子供達の為にと思っているのだが実際にはそれと真逆の事をする事になると言う。

 

「物語は始まる」